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No.211  大久保 信隆(おおくぼ のぶたか)

荒川区リサイクル事業協同組合 理事長

分別とリサイクルで、 ごみは資源に変わります

効果的なリサイクル・コミュニティを荒川区に誕生させた立役者

荒川区は、区内の家庭から出される古紙をはじめ、ビンや缶、ペットボトルなどの資源を各町会で集め、それを民間の再生資源業者が回収し、区と協力してリサイクルを行っています。こうした住民~民間業者~行政が連携を果たし、さらに町会単位の集団回収が展開されているのは、東京23区内はもちろん、全国でも荒川区だけです。地域に密着し、これからの地球環境を見据えたこのリサイクル・コミュニティの発展に大きく貢献したのが、再生資源の収集運搬と中間処理(リサイクル処理)を行っている「荒川区リサイクル事業協同組合」です。区内の再生資源業者46社によって構成され、区の委託を受けて資源化事業を実施しています。大久保信隆さんは、荒川区リサイクル事業協同組合の理事長であり、大正時代から東日暮里で再生資源事業を続けてきた「株式会社大久保」の3代目の代表取締役。荒川区に効果的なリサイクル・コミュニティを誕生させた立役者です。 東日暮里地区には、再生資源事業の長い歴史があります。明治~大正時代から多くの再生資源業者が他地域から移転してきて、現在も多くの業者が営業を続けています。 「再生資源事業は、昔から続く荒川区の地場産業ですね。資源再生の技術はどんどん進化していって、紙や布など、さまざまなものをリサイクルしてきました。私も会社の三輪トラックで、汗を流して回収していましたよ」と、大久保さんは振り返ります。この資源再生技術の進化には、大久保さんご自身、親子3代にわたり関わってきました。

再生資源は、その都市や町の宝 資源が豊富な〝都市森林〟の開発になる

都市を存続させるには、「熱エネルギーを回収する」「水を節約する」「ごみを減らす」といった熱・水・ゴミの3要素が重要となります。特にごみは、都市の人口が増えれば、当然増加してしまいます。故にごみを減らすことは都市存続においてとても重要であり、なおかつ実に大変なことなのです。 「都市のごみには、古紙(たとえば新聞や雑誌など)も多く含まれています。紙は木を原料に作られており、つまりは森林から生まれたもの。古紙を分別してリサイクルすれば紙を再生する資源となり、言い替えれば私たちの住む都市が森林の代わりになれるのです。毎日捨てている古紙は、そのまま処理してしまえばごみにしかなりません。でもごみ=資源に転換できれば、それは資源が豊富にあるということ。こうした再生資源は、その都市や町の宝です。古紙リサイクルは、資源豊富な『都市森林』の開発になるのです」と、大久保さんは熱心に語ります。 現在、古紙などの再生資源は、国内需要を満たすと同時に、中国などの海外にも輸出されています。すなわち、このリサイクル産業は再生資源を世界の国々で役立ててもらう・・・そんなグローバルな取り組みになっているのです。大久保さんは、その輸出の発案当初から参画し、貢献してきたひとりです。また、全国製紙原料商工組合連合会の団長として、今年4月にドイツで開催された「国際古紙会議」に参加。世界の古紙リサイクル業者が集まる場で「日本を取り巻く内外の古紙市場」をテーマに、日本が取り組んできた古紙リサイクルの歴史や現況、日本の優れた資源再生技術など、世界の古紙業界のさらなる発展に繋がる講演を行いました。まさにリサイクル業者の〝日本代表〟として活躍されています。 大久保さんは、生まれも育ちも日暮里の生粋の荒川っ子。旧荒川区立第八中学校を卒業。第三日暮里小学校のPTA会長を親子2代で務め、荒川区PTA連合会会長を務めた経歴もあるなど、地域の教育にもとても熱心です。そんな大久保さんは、今、荒川区から世界を見つめています。 「再生資源は、今や世界の原料ですね」 そう、前述の大久保さんの言葉のように、ごみはリサイクルすれば世界の資源に変わります。それには、古紙、びん、缶、ペットボトル、白色トレーの初期分別が何より大事。あなたがごみを分別することによって、大切な資源が新たに作り出され、そしてそれは自分たちが暮らす環境をより良くすることに繋がります。大久保さんをはじめとする荒川区リサイクル事業協同組合の資源再生業者は、その掛け橋の役を担っているのです。