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No.192  飛田 恭志(とびた たかし)

ヘアサロングループ「髪ファッション四季」3代目 ヨーロッパカップトーナメント・メンズ部門最優秀選手賞 第55代日本チャンピオン 理容師

遺伝子と努力がもたらした世界一 理容にかける情熱と地域への思い

3代目はチャンピオン

「新潟から出てきた祖父がこの店を構えて、50年以上。浮き沈みなく続けてこられたのはすごいし、支えてくれたこの街に感謝ですね」と、飛田恭志さんが語るその店こそ、現在の「髪ファッション四季」西日暮里店だ。飛田さんは、生まれも育ちも西日暮里の32歳。都内に4店舗、つくば市に1店舗を擁するヘアサロングループの若き聡帥である。
両親ともに理容師(父・英雄さんは都の理容生活衛生同業組合理事長)。彼は3代目にあたるわけだが、といってもただの3代目ではない。28歳で第55代日本チャンピオンの座を手にしたのを皮切りに、数々の世界大会で好成績を収め、今年5月には、「ヨーロッパカップトーナメント」メンズ部門で、日本人初の最優秀選手賞を獲得しているのだ。

「ヨーロッパカップについては、青天の霹靂という感じ。自分の成績をそれほど気にかけていなかったんで、ちょっとびっくりしました。でも、やはりうれしかったですね。個人の技術が高く評価されたんですから。とはいえヨーロッパカップ優勝は。“おまけ”くらいに考えています。ヘアワールド2008では、なんとしても団体金を獲りたいですね」
「ヘアワールド」はサッカーのワールドカップに当たる大会。前回、日本チームは惜しくも銀メダルだった。

 

自分で選んだ道だから

理容業の名門一族出身の飛田さんだが、もともと家業を継ごうと考えていたわけではない。
「実は、医者か獣医になりたかったんです。がっつり受験勉強もしてきました。ところが、親戚や父のお弟子さんたちの熱い説得にあいまして(笑)。ほだされたというより、むしろ、彼らの話を聞いているうちに、“たしかに僕の血と肉は、この体は、理容業が育ててくれたものなんだ”と強く実感するところがあったんですね。祖父に訊いたら“お前の好きなようにやれ”。それで理容業に進むことに決めました(笑)。センター試験直前のことです。ただ、もう一つの夢をあきらめた以上、日本一、世界一に絶対なってやるぞと心に誓いましたね」
そして中央理容専門学校と7年間の修業を経て実家に戻り、その2年後に日本一の栄誉に輝く。それまでは、努力に次ぐ努力。器用さは自認していたものの、朝晩4~5時間は練習を重ねる毎日だったという。
「この仕事、新しいものを作りだすセンスも必要だけど、一番大切なのは努力するセンスがあるかどうか。自分を律する、時間を作る、そういうことが重要なんです。スタッフにも、生徒にも、“二つ道があったらつらい方を選べ”と、常々言っています」
まさに、理容道ここに極まれりといった飛田さんの言葉。それも自らの努力と実績があるからこそ、説得力がある。
「理容業は、地域に育ててもらうしかないんだなと、最近つくづく思います。風呂に行く、クリーニング屋に行く、八百屋がある、お気に入りのパン屋がある…そういう生活の中に組み込んでもらわないと成り立たないし、良さも見えてこない。“街にあるものは育てていこう”、地城のお客様が、そう考えてくれないと、店もスタッフも育っていかないんですよね。西日暮里は、生活しやすいし、生きやすい。生きることに関して自然な感じの街だなというのが実感です。本人よりも、街の人のほうが僕のことを知ってる街でもあります(笑)」
いま飛田さんは、文京区音羽に昨年開いた「髪ファッション四季Rc:」に力を注いでいる。技術に裏づけられた彼の、地域に根ざした店作りが楽しみだ。

髪ファッション四季
西日暮里本店
荒川区西日暮里3-22-8 3823-4570
営業時間 平日9:30~19:00 土日祝9:00~19:00
定休日 月曜日 毎月第2/第3火曜日

田端店 03-3823-7891 巣鴨店 03-3944-3976
音羽店 03-3941-4681 つくば店 029-855-2125