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No.39  山下 美晴(やました みはる)

「うれしい下町の温かさ」
剣道2段、女優志願から転身

ケーブルテレビ「荒川区民チャンネル」のリポーター、キャスターとして活躍中。昨年九月開局以来、「タウンリポート」「商店街おじゃまします」の二つの番組を担当して、毎週、区民のための最新情報や地域のさまざまな表情を伝えてくれています。

東京ドームにある「東京ケーブルネットワーク」のスタジオを訪ねました。

─慣れましたか?

それまで荒川区とはご縁がなかったので、はじめのうちは、いろいろ失敗しました。荒川の土手で、「こんなところで野球してる」と言ってしまったり、店先で白菜を手に持って、「わ-重い、中身が詰まってる」と言って笑われたり。でも、みんな温かい人ばかり。焼きいもを食べて行きなよ、うちの焼豚はうまいんだよ、などと言って包んでくれたり。わたし目黒で一人暮らしでしょう、下町の人たちの温かい気持ちがうれしくて。

─出身はどちらですか。

静岡県の富士宮市です。高校を出てから上京し、専門学校で英語を勉強しながら、劇団通いをしました。女優をめざして。叶和貴子さんの付き人をしていたのですが、縁があって、茨城放送で四年、ラジオ大阪で三年、若い人向けのおしゃべり番組をやりました。聴いてる人たちからのはがきを読んだりしておしゃべりするうちに、ローカルメディアの楽しさを知りました。

─映像の仕事はどうですか。

もう毎日が勉強です。はじめのころ「目がテンになっている」といわれました。これは、業界ことばで「台本通りで自分の気持ちが入っていない」、という意味です。キーステーションの全国向けのキャスターとはまたちがう表情、表現を持ったキャスターをめざしています。地域の人たちの身近なレベルで、自分のキャラクターを生かしたい、と思っています。

─東京ケーブルネットワークには三十六ものチャンネルがあるんですね。

荒川ケーブルテレビはその一つで、わたしの仕事の七割は荒川の仕事です。もっともっと大勢の人がケーブルテレビに加入してほしいですね。関心は高いけど加入はまだ、という人もいますが、全然ご存じない方もいるようです。さまざまな情報や、東京ドームはじめいろいろなスポーツ中継、ドラマ、映画、それはそれは楽しいですよ。

─ご自身何かスポーツは?

中学時代から剣道をやっていまして、二段です。高校(富士宮北高)では主将で、全国的にも強かったですよ。昨年暮れ、南千住第二中学での剣友会の取材に剣道用具持参で行きレポーター自ら試合もしましたが、なかなか強い、といわれました。自分の得意とする分野で仕事をしますと、話も一段と生きてきます。だから、勉強して何にでも挑戦したい、そんな気持ちの毎日です。

─いまの社会について。

若い人たちの気持ちが不安定なのが心配です。非行、校内暴力。すぐに殺人など凶悪な犯罪に結びつくでしょう。根本的に何か原因があるのでしょうが、将来の日本を担う人たちですから、どうしたらいいか、大人たちも真剣に考えなければ、と感じています。
山下さんはAB型。東京オリンピックの昭和三十九年七月生まれの辰年、しし座。運勢も社交的な仕事に向いている、と張り切っています。ただ今、おムコさん募集中です。

読売新聞編集委員・平田明隆
カメラ・水谷昭士