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No.13  渡辺 麻実(わたなべ まみ)

アニメなど子供番組で人気
『ビックリマン』3年の独身美人

チョコレートについているシール集めが爆発的流行となり、そこに眼をつけてアニメ化された「ビックリマン」(テレビ朝日・日曜朝八時半~九時)、二月からのアニメ新番組、戦闘メカ「エクスカイザー」(同土曜夕五時半~六時)、実写もの、仮面ライダー風の「ターボレンジャー」(同金曜同時刻)。

いずれも子どもたちの人気番組。その作者が渡辺麻実さんです。西尾久のマンションに母親、弟と一緒に住む、三十歳の独身の美人放送作家です。テレビアニメの生命はせいぜい半年から一年、その中でビックリマンはもう三年の長寿番組というのですから、まずビックリものです。

いや、驚くのはまだ早い。全国で約六百人の放送作家の中で活躍しているのは一割強。一握りの売れっ子作家の一人で、デビュー以来この十年で「一週間以上休んだことはありません。二十六歳の時、過労で倒れ、一週聞入院したのが一番長い休養でした」とか。

―なぜ放送作家の道に

「なぜ、というより、放送作家になるんだと映像世代の私は、高校生のころからさめてました。女子聖学院短大を出てすぐ六本木の日本放送作家協会の養成教室で、半年学びました。そこの講師のニッポン放送のプロデューサーに作品を読んでもらい、OKとなって『夜のドラマハウス』でデビューしたんです」

―芸能界にお知り合いは

「亡くなった父が芸団協の事務局長を五年やってました。そんなことで落語家の春風亭柳昇の次男で、アニメ演出家の方と仲よくしていただき、私の弟もアニメの音響監督で、一緒に仕事をすることもあります」

―お仕事は他には

「近ごろはラジオドラマ風のカセットブックや、まんがのビデオの仕事もあります。原作はあっても時間の長短の関係で、脚本が必要なんです。他に『ジャングルブック』など海外合作物の日本担当分などの依頼もあります」

―失礼ですが、稿料は

「テレビのアニメ三十分物で、一回分が二百字詰め原稿用紙に七十枚です。稿料はドラマなどの半分位ですね」

―ところで荒川の印象は

「西尾久には週末に帰り、平日は中野の仕事場に"単身赴任"です。しかし、今の住まいは出身の短大に近いし好きです。名物の荒川線は最後の都電というので初めて見た時感動しました。まだ全線通して乗ったことはありませんが」

子ども番組なので反響も多く、中には親御さんからの"感情的批判"もあるそうです。

「テレビの娯楽番組は、教えるという性質のものではありません。教えるのなら親がやるべきです」と、キッパリ。

将来はテレビドラマなど楽しい"実写もの"をと願っていますが、子どもといえば気になる結婚は…。

「忙しくてとても―」と、これは少々てれ気味でしたが、傍らのお母さんから声がかかりました。

「いい写真撮って下さいね。お見合い用にね」

文・真下孝雄